てつはみの集積場

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『奈落の堕ちた神』の話

どうも、てつはみです。

 

こちらは2022年5月末に更新された、偽りのアリス第二部四章「奈落の堕ちた神」についての感想記事です。
当時の空気感や感じ方の備忘録として、メインストーリーは全編待たずともその都度で記事更新していこうかな~、とか考えてたら全編一気に更新されてめちゃくちゃ驚きました。

でもやっぱり新鮮な気持ちで全編一気に読めるのは良いですね。自分の中に物語が詰め込まれていく感覚がたまりません。最高。

 

さて。書きたい事がいっぱいあるので前置きもそこそこに本題に入りましょう。

※ここから先は偽りのアリス第二部四章までのネタバレを含みます。ネタバレが苦手な方、自分の目で物語を見届けたい方などはブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この章のために今までの『偽りのアリス』があったと言っても過言じゃない!!最高!!!!

第一部からのアリスとの旅路も、アルター・アリスの存在も、リデルの暴走も、先生の決意も、第二部で成してきたシルシ持ちアルターとの戦いも、グリムとの激突も、全部を活かしてこの一章でぶつけてきましたね。物語に伴う重みがとんでもなかった……。本当に最高過ぎる…………。

 

・クリス エマ 三蔵

Page1から一緒に居た三人(もう一人は後述します)の名前を代表としてあげますが、書きたい括りとしてはもう少し広く『先生とアリスに協力してくれるアルター』ですね。クリムやヴェイルも、ひとまずここに区分して良いでしょう。
先生とアリスが今まで刻んで来た軌跡があったからこそ、彼女たちは先生とアリスのために力を貸してくれるわけで。シルシジュリアのイベントで楽園にて仲間の居ない世界と誤った選択をまざまざと見せつけられた後だと尚更、沁みるものがありますね。
あの選択においては間違えさせられてしまったけれど、これまで歩んできた道は決して誤りではなかった。改めてそう肯定されたような気分です。

 

・カムペー

こいつ~~~~~~~~。何だかんだあったけど案外嫌いじゃないぞ。
カムペーに関しては最早一種の癒しみたいな所がある気さえしています。何でだろう。
似たタイプのドルディと比べても作中で描写されてる限りは直接的なグロ行為をあんまり行ってないからか、敵役としてカムペーなんかよりずっと分かりやすいのが居たからか、というかそもそもライター様もカムペーで遊んでる感じが滲み出ていたからか。
あと弱い者いじめはともかくとして根っこはマトモっぽい、あの手のタイプにしては話通じる方、という話もある。イベントで長い物にいっぱい巻かれてくれ。

 

イカロス

イカロス……!差分絵二つとも凄かった……。イツアリは表情差分すらほんの一握りにしかないからこそ、こういう形で差分が実装されるとインパクトが凄いですね。差分一枚目の強い眼差しも、二枚目のニヒルな笑みも、大好きです。
それともう一つ、原典の本がどういう物なのかも恐らく初めて明かされましたね。出来事を広く編纂されやすい神話だからこそ、というのはありそうですがアルターは物語の主役であったとは限らない。たった二行からでも失敗作世界でアルターとして自我を持つ。
果たしてそれは幸福なのか、不幸なのか。自分がそれを断ずる事は出来ませんが、先生がタルタロス・クロニカに突入する基盤を作り、その先でセレネに打ち克ち、グリムの心を動かした。原典においてイカロスは二行程度の端役でしたが、この物語においては文句なしの主役でした。それだけは言えます。

 

・セレネ

今まで神らしい神が居なかった中で初めて、ヒトとは隔絶した神が現れましたね。思考の飛躍の仕方とかが如何にも神っぽくて、そこでちょっとテンション上がりました。
しかも当人(当神?)はシルシ持ちで、更にジュリアにシルシを与えたのもセレネだと判明します。ふむ……、確かにグリムよりもキラキラしている。出て来た時の画面の白色率が凄い。ジュリアの言は正しかった。
大いなる神による歪んだ思いやりを矮小なヒトの意志や努力の力で乗り越え、塗り替えていく。こういう展開良いですよね……。好きだ……。
奈落の堕ちた神セレネと、消えない翼で空を目指したイカロス。相変わらず対比が上手すぎる。今後もイカロスやジュリアとどんな関係を築いていくのか、楽しみですね。

 

・カーレン

結局彼女は、アルターであるカーレンの意志を残しつつも歪のシルシによってアンデルセンの復活を第一目標に設定された子。という認識で良いんですかね。元々『カーレンという少女(赤い靴が主導権を持ってるっぽい)』という意識の所在が分かりにくいアルターなのに、シルシが絡んでいるせいで更にカオスになっている。
でも敵としては十分すぎる活躍っぷりでしたね。二部三章も含めて、かなり印象の強い存在なのは間違いないでしょう。先述の二人とはまた別の意味で、今後の出番が気になるアルターです。

 

・グリム

二部二章の後半にて初めて姿を現し、2022年の元旦にプレイアブルとして実装され、そこから更に約半年……。ようやく司書グリムについて、シャルロッテ・グリム・アマーリエという少女について少し知ることが出来た気がします。
ホントに良いキャラしてる。深化ストーリーの話なので軽く触れるだけにしますが、『先生』をあそこまで上手く使われるともう感服するしかない。
アルター・グレーテルが司書グリムの作品であると明かされ、グリムは『作品と作者の人格は切り離せない』という考え方である以上、グリム童話アルターからそれなりにグリムの過去を推察する事が出来るの、めちゃくちゃ良いですよね。輝く表舞台に出なかったシンデレラとか、ねぇ?
随所で創作への想いが見えたり、最終決戦の前に起こるのがネタ出し会議だったり、正しく作者って感じがして好きです。

 

・アリス・リデル

一部終章以降、アリスと先生の旅路を応援していた。だからこそ先生に対して牙を剥く。当初は駄作のアリスとして偽りのアリスを欲していたはずなのに、アリスと先生のファンのようになっているのかなり好き。
リデル自身、偽りのアリスに自分を重ねていたのかも、とか考えたりします。自分を認め、求めてくれる相手の存在を望んでいたからこそ、偽りのアリス視点で見た時にそれを裏切るような行為をした先生の事が自分事のように許せなかった。それだけ偽りのアリスの事を想ってもらえているのなら、なんだかこっちも嬉しくなりますね。
アルター・アリスといいアリス・リデルといい、アリス属性は先生の身近に潜みがち。
今回でも、リデルが望んで司書になった訳では無さそう、というシーンがいくつか見られましたね。裏で糸を引いているのは誰なのか……。

 

アルター・アリス

最 高 。
二部三章の最後でチラッと出てきて、それをここで回収するか~~、とストーリー読みながら感動しましたね。
そうなんですよカーレンさん。この子は偽りのアリスよりずっとストレートにラブコメするし、ずっとバカなんですよ。そこが最高なんですけどね。Twitterとかで言ったか忘れましたが、アルター・アリスをちゃんとメインヒロインらしく書いた上で今のポジションに落とし込んでるの、丁寧でかなり好き。無慈悲。
一部五章の流れをキャストを変えて再演――リコレクションするのも本当に凄い。第二部の副題はクロニカ・リコレクションですからね。
アルター・アリスとグリムのキャラストーリーに関しては作品をより理解するための必修科目みたいな節があるので二部四章越えた人は特に、無理のない範囲で出来るだけ絶対に読んで欲しさがあります、是非に。

 

・アリス

おかえり。もし良ければ、これからもよろしくね。
…………いや、また会えた事が感無量で上手く言葉にならないですね。妹分でお姫様で偽りではない、それでも先生と一緒に旅をする事を選んでくれたアリス。
『必要じゃない。傍にいてほしい。だけど、自由にしていい。』このもどかしくて何とも言い難い距離感が、あぁ先生とアリスだなぁって感じがして良いですね。他の項に増して語彙力が無い。
派生した話ですが、六月イベントの『あなたが落とした金の恋』でアリスが出て来たときの安堵と喜びが凄かった。ヘルメースに相性見てもらうシーン可愛すぎない?アリスの一挙手一投足が可愛い。
ちなみにこのシーン、恐らく二部四章クリア後とそれ以前でテキスト変わってるっぽいです。サブアカをお持ちの方は確認してみると面白いかもしれません。ヘルメース、ちゃんと神だ。

 

アンデルセン

本邦初公開、って言いながらタイトル画面でチラ見えしてるのちょっと面白い。あ、そういう事ではなく?
ようやく本人(本人ではない)が登場し、一層盛り上がってきました。グリムと同じ様に創作者らしい面は覗かせつつ、別の意味で良いキャラしてますね。総合的に見て、三人の中で司書として一番マトモなのはグリムかもしれない。
一癖も二癖もあるキャラであり、まだ真意らしい真意が見えていないのでそこも気になる所ですね。
ところでアンデルセンがああやって出て来た事により、先生の容姿が更に謎に包まれました。いつかメディアミックスで明かされれば良いな。

 

・ホワイトラビット

このアルターに関しては、司書と同じかそれ以上に何でもアリな上に真意も何も読めないのでほ~~~~~~~ん!って未だになってるのが正直な感想ですね。アリス・クロニカが待ち遠しい。

ホワイトラビット/ラビについて以前にふせったーでちょっと考えや与太話を纏めたので、興味のある方はリンク先にどうぞ。3000文字くらいあるみたいです。

https://fusetter.com/tw/mALXWxTE#all 
リンク先はふせったー。

 

まとめ

クオリティ向上のため一ヶ月の延期がありましたが、そんなの微塵も気にならないくらい掛け値なしに最高のストーリーでした。シルシが一回限りのルールであったり、二部を通してワンダーランドクロニカのアルターが良く出てくるであったり、伏線の張り方も活かし方も回収の仕方も本当に見事で素晴らしいの一言に尽きます。

次の五章にも期待が高まる所ですが、そろそろ二部も終わりの気配が近づいてきました。めでたくサービス開始から1000日が経ち、それでもなおまだまだアルターたちが紡ぐ物語の魅力は底が見えません。
失敗作だらけの世界の最後がどうなるのか。その先に続くはずの素敵でより良い未来にも期待をしながら、今回はここで締めたいと思います。

 

それでは、また。